はじめに
皆さんザンスカールという地をご存知ですか?
知る人ぞ知る、素敵な世界がそこにはあります。
インドにありながら、チベット文化圏を有するラダック地方、その最深部に位置する場所がザンスカールです!
僕のザンスカールへの愛が、皆さんに少しでも伝われば幸いです。
ザンスカールへの誘い
”そこに行けば どんな夢も叶うと言うよ”
そう歌われたゴダイゴのガンダーラという歌。
その地は今で言うインドを表したものだと言われています。
僕は歌のその歌詞の中にある”どこかにある理想郷(ユートピア)”こそが、ザンスカールだと思っています。
”どうしたら行けるのだろう 教えて欲しい” と言われるような誰もが望む場所、それこそがザンスカールの魅力と言えるでしょう。
インドと言えば、あの「ゴチャ混ぜ感」がなんとも言えない魅力ですが、チベット文化圏は全く人も文化も違います。
人も控えめで穏やか、争いごとはない、そんな世界がザンスカールにはあるのです。
ゴミゴミとしたインドの世界とは全く別の世界が、そこには広がっています。
一生に一度でもいい、インドの山奥に理想の地を探しに行ってみませんか?
ザンスカールとは
まずは、ザンスカールについてお話しいたします。
ひとまず申し上げますと、ザンスカールとは地名であり、場所の名前です。
国としてはインドに属しながら、インドとは全く違った文化を持つチベット文化圏の村になります。
インドにあるチベット文化圏の町としてレーが有名ですが、ザンスカールはそのレーよりもさらに奥地にあり、インド・チベット文化圏の聖地ともされているような場所です。
レーは、有名であるがゆえに少し観光ナイズされている側面も垣間見えますが、ザンスカールはまだまだ昔ながらの生活が残っています。
時代の流れに左右されず、人々も素朴に生き、美しい景色もそのままの世界がそこにはあります。
ザンスカールの魅力
実際に訪れた僕が考える、ザンスカールの魅力を説明いたします。
簡潔に言えば、それは「人・景色」、そのどちらもが素晴らしいからに他なりません。
ザンスカールへ辿り着く道のりは、長く険しいものです。
飛行機でひとっ飛びみたいに行くことはできず、何度もバスや車を乗り越え、舗装もされていない道を何時間も何時間もひたすら耐えることになります。
それでも誰かにおすすめしたいのは、その大変さを踏まえても行くべき理由がそこにはあるからです。
人が素敵すぎる
ザンスカールは、本当に人が素敵すぎて優しすぎて、たまらなく感動したのを覚えています。
自身に対して優しく接してくれる人に対して、”そこまで見ず知らずの旅人にどうして優しくしてくれるのだろう”と思ったことを今でも思い出せます。
思い出せば、いつのときも優しかった彼らの姿が浮かんできます。
僕が高山病で寝込んでいたとき、
高山病でゴンパの敷地内で吐き続けたとき、
高山病で宿の食事に一切手を付けれなかったとき、
深夜にレーに着き宿がなくて途方に暮れかけたとき、
どんなときでも彼らは優しかったです。
まるで”怒る”という感情は悪であるかのように。
まるで”怒る”という感情を知らないかのように。
景色が素敵すぎる
ザンスカールで見える景色は、ザンスカール特有のものです。
素晴らしすぎて、常に感動しっぱなしであったことを覚えています。
空の青や土の色、岩のグレーやゴンパの歴史を感じさせる感じも、全てにおいて無駄なものがなく、なんだか天国に近い場所であるかのような感覚を覚えました。
ザンスカールは、旅をしていて初めて、
”天国ってこんな場所なのかもしれない”
と思った場所でもあります。
ザンスカールへの行き方
ザンスカールへの行き方は、結構長い道のりです。
日本から向かうとすれば、まずはインドに行く必要があります。
デリーに降り立つのが一番一般的でしょうか。
そこからは飛行機やバス、車を利用して、レーかカルギルという町に行きます。
そこはもうチベット文化圏の町、デリーとはガラッと雰囲気が変わります。
同じ国でもこうも違うものかと実感することでしょう。
レーからは隔日、カルギルからは毎日、ザンスカール行きの乗り合いタクシーがあります。
所要時間は、カルギルから約10時間ほどです。
辿り着くザンスカールの町は、村と行ってもいいぐらい小さな町です。
参考ルート
東京・日本
↓ 9〜10時間
デリー・インド
↓ 8〜10時間
アムリトサル
↓ 5〜6時間
ジャンムー
↓ 7〜8時間
シュリナガル
↓ 8〜10時間
カルギル
↓ 8〜10時間
ザンスカール
ザンスカールの見どころ
ザンスカールの魅力は、その地方に点在するゴンパ巡りにあります。
ゴンパとは、チベット仏教のお祈り場所とされ、日本で言うお寺に当たります。
その地に古くからあり、人々の信仰の対象となる神聖な場所が”ゴンパ”です。
ザンスカールの主要観光スポットとも言える、ゴンパを紹介いたします。
信仰する度合いなどはいささか違うかもしれませんが、我々日本人もチベット文化圏と同じ仏教を宗派とする分類です。
どこか懐かしくもあるような、どこか洗礼されているかのような、そんな感覚になるのではないでしょうか!
パドゥムゴンパ
ザンスカールの主要都市・パドゥム。
一般にザンスカールというと、パドゥムを指し、ザンスカールで一番栄えている場所になります。
そのパドゥム内にもゴンパがあり、歩いて気軽に行くことができます。
眺めもよく、パドゥムの町並みを展望できる気持ちの良い場所です。
散歩がてらに訪れてみるのもいいのではないでしょうか?
ストンデゴンパ
僕がザンスカールで一番好きな景色を見て感じることができるのがストンデゴンパです。
ここの景色は圧巻で、歴代の旅の中でも上位にランクインする程印象的な景色として僕の中にあり続けています。
空と大地と山々と、その彩り全てが完璧すぎて、ひと目見て「好き!」となりました。
どこをとっても画になるその景色に、「無駄なものが一つもない」と心から呟いたものです。
このストンデゴンパの景色が好きすぎて、旅を終えた今も何度も見返したりしています。
カルシャゴンパ
ザンスカールで最大の寺院とされるカルシャゴンパ。
遠くからでもその存在感の大きさがわかるほどです。
ここはたまたまゴンパ内で勉強する子どもたちに出会い、素敵な笑顔をもらったことを覚えています。
人懐っこくどこか日本人の面影も感じるような彼らの笑顔に、非常に元気をもらったのが印象的な場所でした。
プクタルゴンパ
ザンスカールの最奥地にあり、ゴンパ界の至宝として紹介されているのが、プクタルゴンパです。
プクタルゴンパだけは自力で行くしかありません。
その道程は、ただただ歩き続ける非常に過酷なものです。
パドゥムから途中の村までは乗り合いタクシーで行けますが、そこから先はひたすらアップダウンの激しい岩肌の一本道を突き進むしかありません。
なかなかにハードです。
ただ眺めは格別に良く、絶景と呼ぶにふさわしい景色が続きです。
数時間歩き続けてやっと辿り着くことができるプクタルゴンパ、そこでは優しい僧侶の方々が迎え入れてくれます。
ご飯を出してくれたり、ゴンパ内を案内してくれたり、色々と優しく気を使ってくれ、いきなりやってきたただの訪問客に手厚い施しをしてくれます。
この辺りの施しの文化は、本当に頭が下がるぐらい嫌味のないものであり、尊敬にすら値する感じです。
そのプクタルゴンパで出会った僧侶の方は、当時45歳ぐらいで、出家した15歳の頃から30年ずっとプクタルゴンパで生きてきたと言っていました。
本当に俗世間から離れて暮らしてきている様を体現していて、興味深さにあふれていました。
”彼らの目に今の世界はどう見えるのだろうか?”
そんな疑問が浮かんでは消えてを繰り返していたことを覚えています。
僧侶の方は望んでこの地にいるので、”それはそれですごい感覚だなー”と感嘆の反応しかできませんでした。
世界には本当にたくさんの考え方を持った人がいるものですね!
ゴンパの巡り方
ザンスカール、いやチベット文化圏と言えば、やはりゴンパ巡りが一番の観光の目玉ではあります。
ゴンパで目にする景色、ゴンパで出会う人々、ゴンパで感じる雰囲気、その全てが”ここに来た意味”を我々の全身に与えてくれるでしょう。
難しく考えすぎずに、五感で感じるように感じ、自身の好きなゴンパを探してみるのもいいのではないでしょうか。
きっと好きなゴンパが見つかるはずです!
ゴンパとは
ゴンパとは寺であり、学び舎であります。
日本で言う、昔の寺子屋みたいな立ち位置で、子どもたちはゴンパで暮らし、日々学び過ごしていくわけです。
大人の僧侶たちは朝にお経を唱えたり、まるで日本のお寺を彷彿とさせるような日常が繰り広げられています。
そんな神聖なるゴンパ内を訪れ、中を見させてもらったりするのが、ゴンパ巡りです。
ザンスカールの地にも近郊に多くのゴンパがあり、各ゴンパへ訪れることがザンスカールでの楽しみの一つとなります。
ゴンパへのアクセス
ザンスカールでのゴンパ巡りには、基本的には車をチャーターして周るのが一般的です。
公共交通機関が存在しないため、一応の乗り物として乗り合いタクシーがあります。
それも時刻表などはなく、人が集まったら出発するぐらいのもので、集まらなければ出発しないときもあったりします。
とはいえ、旅行者にとってはそれしか移動手段がないので、乗り合いタクシーを選ぶことを余儀なくされます。
どれだけ物事が滞っていたとしても、この地では怒ることは皆無です。
”そんなこともあるさ”と次の手段を考えましょう。
”怒る”ことは無意味なことだと、きっとザンスカールの人々が身を持って教えてくれるはずです!
ザンスカールの時間の流れに任せて、せかせかせずにゴンパを巡るのが、なによりのゴンパの楽しみ方と言えるでしょう!
さいごに
「ザンスカールの魅力まとめ」いかがでしょうか?
”レー”や”ラダック”は聞いたことはあっても、ザンスカールを知らない方もいることと思います。
ザンスカール、あまり聞いたことはない名前かもしれませんが、世界中を渡り歩いても、2つとしてない素晴らしい場所です。
皆さんのこれからの旅路の候補に、ザンスカールの地が挙がってくることを願っています!
ご愛読ありがとうございました!