世界一美しい国境、そう言われてどこを思い浮かべますか?
そもそも、国境で美しいとか考えたこともないかもしれません。
皆さんはサニパスと呼ばれる国境をご存知ですか?
それ以前に、レソトという国を知っていますか?
『アフリカのスイス』とも呼ばれるレソト。
日本人には馴染みのない国ですが、知る人ぞ知る絶景大国であります。
そのレソトの中でも、おすすめしたい絶景があります。
その名も、サニパス!!
サニパス、とだけ言っても、なにそれ?となるかと思いますので、今回はそのサニパスなるものについて、説明していきます。
この記事を読んで、みなさんが少しでもレソトに興味を持ってくれたらなによりです。
サニパスについて
サニパス、とだけ言っても、なにそれ?となるかと思います。
最初に言うと、サニパスとは国境の名前です。
レソトと南アフリカ共和国を隔てる国境にあるのがサニパス(Sani-Pass)。
そのサニパス国境の辺り一面にそびえているのが、ドラケンスバーグ山脈。
龍のように山々が連なる様子から、ドラゴンの名が付けらているのだそうです。
ドラケンスバーグ山脈を見渡せるサニパス国境からの景色がなんとも美しく、ただ通り過ぎるのはもったいないとのことで、そこの国境で下車して楽しめるようになっている次第です。
なぜそんな素敵な景色が見れるのかというと、理由は2つの国境の位置関係が関係しています。
レソト側の国境は山の上、高台にあり、そこから南アフリカ側の国境まで、山を下るようにして道なき道が続いています。
そのため、レソト側の国境周辺が展望台のような位置関係になり、どこまでも続く山々を思う存分眺めることができるのです。
そうサニパスとは、誰もが通ることができる、いや、誰もが通らざるを得ない、贅沢な絶景を有する国境、並びに、一大絶景スポットなのです!!
山々が織りなす壮大な景観、連なる山々が作り出す絶景が見事で美しく、眼下に広がる山々の連なりをずっと眺めていたくなります。
その景色は他に似たものはなく、サニパスが見せてくれる景色は何物にも代えがたいと感じることでしょう。
僕自身も初めて目にしたときの興奮は今でも覚えています。
”もっと、もっと、見ていたい” 衝動に駆られます。
岩山が見せてくれる絶景に、目を奪われること間違いなしのスポットです。
サニパスの場所
・サニパス国境、レソト王国
南アフリカ共和国の領土の中にある小さな国、レソト。
周りは全て南アフリカ共和国に囲まれているので、国の外へ出るときは、必ず国境を通過することになります。
南アフリカの第三の都市ダーバンに向かうとき、サニパス国境を自然と通ることになるでしょう。
誰もが自然に通れる場所に立ち寄れることが、今回のサニパスの一番の利点です。
通常なら観光スポットに我々が自ら出向く必要がありますが、サニパスはその必要はありません。
確実に通る必要がある場所に途中下車するだけで到着可能なのです!
サニパスへの行き方
日本からレソトへの直行便はありません。
まずは隣の国である南アフリカへ飛行機で行きます。
南アフリカまでは、ヨーロッパへ飛ぶのとそんなに変わらない金額で行くことが出来ます。
そこからバスやレンタカーでレソトを目指す、というのが一番行きやすいルートかと思います。
サニパスは他の観光地と違い、要はどの国にもある国境の一つです。
国境周辺が絶景だから、そこで一旦止まって、滞在して堪能しよう、というものです。
なので、レソト側、南アフリカ側、どちらからもアクセスできます。
レソト側の国境から行く場合はモコトロンという町、南アフリカ側の国境から行く場合はダーバンもしくはアンダーバーグという町から行くのが主流です。
南アフリカ周辺はレンタカーで周遊するのも主流なので、旅の途中に寄るのもいいかと思います。
サニパスでの食事
サニパス周辺はスーパーマーケットやレストランはありません。
あるのは宿泊施設のみです。
その施設内で料理を頼むことも出来ますが、例に習って高いものです。
宿にはキッチンもあり自炊できるので、前の町で買い物して自炊するのもいいかと思います。
自炊をすることを前提で、先の町で食料を買っておくことをおすすめします。
サニパスの宿泊
サニパスでの宿は、宿泊施設は一つだけで、Sani Mountain Lodge という宿があります。
サニパスで泊まる人は基本的にこの宿に泊まることになります。
その宿にはバックパッカー用の施設も備えていて、受付は同じですが、敷地内にSani Top Backpackers&CampSiteという施設も併設しています。
宿泊費を抑えたい人は安宿のドミトリーに泊まったり、テントでキャンプすることもできます。
キッチンもあり、ホットシャワーもあるので快適です。
キャンプサイト 一泊105ロティ(約800円)とお財布にも優しいです。
サニパスの気候
サニパス付近は標高が3,000mくらいあるので、単純に寒いです。
僕が行ったのは夏でしたが、夏でもそこまで気温は高くなく、ダウンジャケットを着て、ちょうどいいくらいの気温でした。
そして割りかし風が強く冷たいです。夏の暑さはそこにはありません。
防寒着はしっかりと用意していくことをおすすめします。
周りに遮るものが何もないので、風が吹きますし、天気もコロコロ変わります。
決してリゾート地ではなにので、その辺りの認識は各々持っていきましょう。
サニパスでのトレッキング
サニパスは欧米系のバックパッカーに人気な場所です。
アクティビティはそんなにありませんが、周囲は山なのでトレッキングが出来ます。
その一つが、ホーストレッキング。
馬に乗って、高い山の上まで行って帰ってくるというものです。
ゆっくり馬の背中に乗って進んでいくのも気持ちいいです。
ホーストレッキング(半日コース)
料金:320ロティ(約2,500円)
時間:9:00am〜13:00pm か 1:00pm〜5:00pm のどちらか選べます。
所要時間約4時間。
備考:他にも1時間や2時間、一日(7時間)のコースもあります。
また、馬に乗らずに自分の足で、気の向くまま、好きなだけ遠くまで歩いて絶景を見続けるのも楽しみ方の一つでしょう。
レソトについて
続いて、サニパスを有する、『レソト』という国について説明します。
アフリカ大陸の一番南に位置する南アフリカ共和国。
その南アフリカの領土の中にある小さな内陸国、それがレソト王国。
レソトとは、現地の言葉で「ソト族の土地」という意味があります。
レソトは国自体の標高が高く、国土の大半が標高1,600m以上あり、アフリカ大陸の中でも有数の山岳国です。
織りなす景観が綺麗なことから、『アフリカのスイス』や『天空の王国』、『アフリカの屋根』と呼ばれています。
山が多く、空気も澄んでいて、素朴に生きる人々に、心も満たされることでしょう。
レソトの言語
レソト王国での公用語は英語、ソト語です。
ソト語は現地の人々が話す言語です。
基本的に英語を話せる方も多く、旅行者がソト語に触れる機会はほぼありません。
そのため、言語については英語ベースでコミュニケーションを取れれば心配ないかと思います。
僕自身、英語が伝わらず苦労した記憶はないので、多少の英語が話せれば特に問題はないです。
レソトの通貨
通貨はレソトロティです。1ロティ=約7.5円。
物価は日本とそんなに変わりません。
また隣国の通貨である南アフリカランドも等価で使用できます。
ただ、南アフリカランドはレソトの国内で使用できますが、レソトロティは南アフリカでは使えないので、注意が必要です。
その辺りが南アフリカ(大国)とレソト(小国)との関係性を表しているようで、なんだか難しいところですね。
レソトのビザ
日本とレソトの間にはビザ免除協定があるので、90日以内の滞在で、観光目的であればビザは要りません。
パスポートの未使用ページが2ページ以上、有効期間が6ヶ月以上あれば問題ありません。
出国航空券や次のルート、レソトの中で行く場所や泊まる場所などを、入国管理官に質問されるかもしれないので、予め用意しておくといいかと思います。
周辺の国々もビザが必要ない国が多いです。
レソトに関しては、南アフリカに行ったついでに気軽に行けます。
サニパスのすすめ
サニパスは国境ですが、一つの観光地としても有名です。
レソトの一大観光スポットと言っても過言ではないでしょう。
サニパス行かずして、レソトの旅を終えるのは、本当にもったいないです。
また、サニパス周辺は国境なので、周りには本当に何もありません。
好きなだけ遠くまで歩いて絶景を見続けるのも楽しみ方の一つでしょう。
歩けば歩くほど、見ている風景が少しずつ変わっていきます。
僕自身も、もっと先まで行きたい、そう思いながら歩き続けて、随分遠くまで行った覚えがあります。
たかが山、されど山。
山の連なりの連続がそこにはあるだけですが、それだけで充分感動することでしょう。
それは、何万年とかけて地球が創り上げた美、そのものです。
美しいものは、ただただ、美しい。
綺麗なものに理由なんていりません。
サニパスは、特別お金がかかるツアーに参加しないといけないとか、そんなことはありません。
なぜなら、サニパスは全世界どこにでも存在する国境なのですから。
誰もが通る道、そこで少し寄り道して、見たこともない景色を見に行きましょう。
そんな素敵な場所には、きっといつもいい風が吹いています。
そんな素敵な風に、ただただ吹かれにいきましょう。
僕もレソトに行く前は、正直レソトという国に対してノーマークでしたが、これほどまでに雄大な自然を見せつけられると、頭が下がります。
自然が、動物が、醸し出す表情に圧倒されます。
ただそこにあるだけなのに、なぜこうも美しく見えるのか。
今ではおすすめの国にレソトを答えてしまうほど、誰かに勧めたくなる国です。
さいごに
アフリカ、南アフリカ、レソトと聞くと、どこそれ?、遠そう〜、など、随分遠い印象を持たれるかもしれませんが、それで行かないのはもったいないです。
今の時代、飛行機に乗れば、どこへでもすぐに行けます。
レソトを含め、周辺国はノービザ(ビザを取得する必要がない)で行ける国や観光地があるので、他の場所と一緒に予定に組み込んで行くのも全然ありです。
レンタカーを借りれば、自分のペースで旅行を進めていける楽しさもあります。
まだまだ我々日本人が知らないだけで、有名で素晴らしい景色が世界にはたくさんあります。
レソト、そしてサニパス、自分の目で見て、息を呑んで、感動してください。
次の旅先にレソトはいかかでしょうか?