はじめに
皆さんパタゴニアをご存知でしょうか?
南米大陸の南の方、チリとアルゼンチンにまたがる領土にパタゴニアと呼ばれる場所は存在します。
パタゴニアには、魅力的な自然が多数混在しており、我々旅行者を誘う旅人憧れの地でもあります。
衣服やアウトドアグッズ等のメーカーである「Patagonia」は、このパタゴニアの名前から来ているそうです。
それだけで、いかに素敵な土地なのか想像していただけるのではないでしょうか。
今回は、そんな魅力溢れるパタゴニアの魅力を紹介し、パタゴニアの周り方もお話できたらと考えています!
パタゴニアへの誘い
風の大地、パタゴニア。
そこには旅人を誘う素敵な風が吹いています。
僕は、100ヶ国旅をしてきて、「好きな場所は?」と聞かれたら、迷わず”パタゴニア!”と答えます。
大抵に旅人に聞いても、パタゴニアを好きな人ばかりです。
嫌いなんて言う人を聞いたことがありません。
パタゴニアは、人を虜にする絶景がそこかしこに点在し、色褪せず僕らをその地へ誘い続けます。
旅の目的地は風まかせ、あなたもパタゴニアの風に吹かれて見ませんか?
きっとあなたも、パタゴニアに恋をすることでしょう。
パタゴニアの場所
先程からパタゴニアと言っていますが、パタゴニアがどこにあるものなのかご存知でしょうか?
パタゴニアとは、国の名前ではく、街の名前でもなく、地方の呼び名です。
日本にも中部地方や東北地方といった地方一帯の呼び名があったりするように、南米大陸の南部エリア一帯を”パタゴニア地方”とされているのです。
パタゴニアのエリアや観光地がチリとアルゼンチンに二分されているため、チリ側・アルゼンチン側と呼ばれたりしています。
旅行者は、その2つの国のエリアに点在する多数の魅力的な場所を点つなぎで旅していくのです。
パタゴニア周遊のルート
一般的にパタゴニアのエリアは、
チリのプエルトモンからアルゼンチンのウシュアイアまでのエリア一帯
を指します。
南下ルート or 北上ルート
旅人が進むルートとして基本的に、
プエルトモンからウシュアイアまで南下
か
ウシュアイアからプエルトモンに向かって北上
のどちらかになるかと思います。
つまり、北上なり南下するなりしながら、目当ての目的地に寄って進んでいく形になります。
パタゴニアが縦に長いエリアである以上、横断ではなく”縦断”と呼ぶ形の旅のルートに自然になっていきます。
あとは、そのエリア内で行きたい場所の優先度合いによって、行く行かないが出てきたり、自分の予定に合わせて変わっていくことでしょう。
モデルルート(実際のルート)
実際に2020年に僕が歩んだルートを紹介いたします。
僕のルートを参考に、各々のオリジナルルートを組むのがいいのかと思います。
チリのサンティアゴから逆時計と形容できる形で周遊しました。
以下、パタゴニアのルート
サンティアゴ→パンギプジ→オソルノ→バリローチェ→エル・チャルテン→エル・カラファテ→プエルト・ナタレス→ウシュアイア→ブエノス・アイレス
です。
どうでしょうか、オーソドックス極まりないルートですね。笑
ポイントとして、フィッツロイやペリトモレノ氷河、パイネ国立公園、ウシュアイアは必須で、後はそのときの気分次第でルートを決めて進んでいった次第です。
やはり、パタゴニアを目指すものなら、フィッツロイとペリトモレノ氷河は外せないのではと思います。
そして欲を言うなら、トレスデルパイネやウシュアイア、アウストラル街道などが順番に出てくるのではないでしょうか。
個人的には、ウシュアイアからクルーズに乗り、南極に行ってみるのもおすすめです!
せっかくウシュアイアという”世界最南端”の場所に来たのですから、そのまま足を伸ばして”世界の南の果て”まで行ってみるのもいいのではないでしょうか!
パタゴニア周遊のポイント
パタゴニア周遊のポイントとして抑えておきたいのは、時期と天候、そしてルートです。
パタゴニアでは、対峙する相手が自然です。
それゆえに、我々がパタゴニアの地の性質に合わせていくしかありません。
ときにゆっくりと、ときに駆け足と、壮大な景色を堪能していきましょう。
時期
パタゴニアの基本的な観光シーズンは夏です。
南米が夏になる10月〜4月の時期に旅をするのが一般的なスタイルになります。
逆にそれ以外の時期に行ったとしても、旅をするのは困難とされています。
パタゴニアは、そのエリアの特性ゆえに、夏の間だけ商売で盛んになっている街がほとんどです。
夏の間だけ出稼ぎみたいな感覚で宿やお店が営業されていたりするので、冬は街がすっからかんのゴーストタウンみたいになってしまうらしいです。
定住者としてそこに住んでいる人々も一定数いますが、大抵は冬は暖かい場所で過ごすと言っていました。
冬に旅をすると、まずめちゃくちゃ寒い上に、目星の宿が開いてなかったり、乗りたいバスが運行していなかったり、ストレスだらけの旅を余儀なくされます。
天気
パタゴニアの天気は非常に移りやすいです。
”風の大地”と呼ばれるぐらいなので、風も強く吹き、あっという間に天候が変わったりします。
ネットの天気予報は全然アテになりません。
自然の美しさを目当てに旅をする以上、天気の良さは最重要事項と言ってもいいでしょう。
例えば、パタゴニアで有名なフィッツロイの朝焼け「黄金のフィッツロイ」現象も、晴れていなければなにも楽しめません。
せっかく遠くの地に来ても、楽しめなければいい思い出も作ることはできないものです。
パタゴニアで出会える景色たちは、晴れ待ちをしてでも見るべき景色かと思いますので、是非天気には万全の情報を得れるように心がけましょう。
ルート
パタゴニア周遊をする上で旅人を悩ますのはルート選びです。
目的地が分散しているため、一筆書きで全ての目的地に足を運ぶのは難しいです。
また、時期や天気を考慮して、優先順位をつけていかなければ、ただただ時間を無駄にする可能性もあります。
まあそれはそれで旅の楽しみの一つでもあるので、一つの場所でゆっくりするのもいいかもしれません。
パタゴニアにある街は、どの街も本当に魅力的です。
人々が楽しく生きているのが伝わってきます。
パタゴニアで自然や景色を楽しむのはもちろんですが、そこに生きる人やそこに集まる人達に視線を移してみるのもいいものです。
きっとあなたのパタゴニアライフを楽しいものに変えてくれることでしょう。
”なにが見たいか、どこへ行きたいか” を考え自分の行きたい場所リストを考えるのがいいのではないでしょうか。
期間
パタゴニアは広大です。
途方もないほど大きな大地がそこには広がっています。
一週間ぐらいでパパっと見て周れるほど簡単ではありません。
最低でも2〜1ヶ月は見ておいたほうがいいでしょう。
パタゴニアを上から下まで満喫しようと思ったら、1〜2ヶ月くらいは目安として確保するのがいいかと思います。
余裕のある期間を組んだほうが、自然の移り変わりに柔軟に対処できるのでおすすめです。
パタゴニアの見どころ
それでは、パタゴニアの代表的な目的地を紹介いたします。
どれもこれも有名なものであり、どの場所も旅人心をくすぐる素晴らしい場所です。
是非自分にとっての特別な旅先を見つけてみてください。
チリ
プエルトモン
“パタゴニアの玄関口”と呼ばれ、首都サンティアゴからバスで24時間ぐらいで辿り着くことができる、パタゴニアのスタート地点の街。
海も近く、海鮮も豊かで、人々の活気が溢れます。
人々はこの地で食料や情報を蓄え、パタゴニアへの旅路に足を伸ばしてきます。
アウストラル街道
”世界一美しい街道”と称される美しい道。
正直どこをとって世界一美しいのかは僕には謎ですが、そこはパタゴニア、どこをとっても美しいものです。
ただの道一つとっても世界一と称されるその美しさ、さすがです!
プエルト・ナタレス
パイネ国立公園の起点となる町。
本当に小さい町ですが、パタゴニアならではアーティスティックな店なども多く、町を歩くのが楽しい場所です。
この町の隠れ裏ワザとして、チリペソから米ドルの両替ができる場所であることがあります。
アルゼンチンに旅行するとなると、確実に米ドルを持っていたほうが有利です。
アルゼンチンペソの経済が破綻しているため、アルゼンチンでは自国通貨より米ドルの方がより価値があり、より高い値で取り引きされています。
つまり、アルゼンチンペソから米ドルに両替するのはナンセンスであり、アルゼンチンでアルゼンチンペソを下ろして使うのもナンセンスなのです。
アルゼンチンでは米ドルです!
そのため、アルゼンチンを訪れる旅行者は、先の国で米ドルを入手しておく必要があります。
パタゴニアでは、予想以上にアルゼンチン側で米ドルを使う場面も訪れます。
そんなときに、チリ側で米ドルを調達できれば、安心して再度アルゼンチンへ入国することができるでしょう。
プンタ・アレーナス
チリの最南端の町がプンタ・アレーナスです。
この町へは、チリの首都サンティアゴから格安の飛行機が飛んでいるため、一気にパタゴニアに飛んでくることができます。
チリは、アルゼンチンに比べて非常に国内航空券が安いので、パタゴニア周遊で飛行機が必要なときは、まずチリ側で利用することを検討することをおすすめします。
パイネ国立公園
チリパタゴニアのハイライトが、パイネ国立公園。
その中でもいちばん有名なのが、トレスデルパイネです。
そびえ立つ三本の岩。
なかなか天気が優れないとされるトレスデルパイネ。僕の知り合いも軒並み天気が悪いときに当たっています。
是非晴れたトレスデルパイネを拝んでみてください!
アルゼンチン
フィッツロイ(エル・チャルテン)
パタゴニアと言えば、フィッツロイ。フィッツロイと言えば、パタゴニアです!
どこをとっても素晴らしい、パタゴニアの至宝・フィッツロイ、それを訪れずにパタゴニア旅行を終えることはできません。
ご存知の方もいるかもしれませんが、パタゴニアのロゴとなっている山です。
偉大さや神々しさを感じさせる素晴らしい山です。
かっこいいも美しいも兼ね備えています。
朝焼けの黄金のフィッツロイは、筆舌に尽くしがたい程綺麗です。
実際朝日が登ってからのフィッツロイも充分過ぎるほど綺麗です。
もはや、フィッツロイを見るためだけでもパタゴニアに来る価値があるのではないでしょうか!
エル・カラファテ
丁度パタゴニアの真ん中辺りに位置する、パタゴニアの代表的な町です。
町を横断するように一本大通りがありますが、そこに世界中からパタゴニアに恋い焦がれた人たちが集結しています。
エル・カラファテが醸し出す空気は、それはそれはピースフルな世界を彩ってくれているかのようで、ただ歩いているだけで楽しくて仕方なかった思い出が残っています!
ペリトモレノ氷河(エル・カラファテ)
世界第三位の氷河を見ることができる、フィッツロイに並ぶパタゴニアのハイライトの一つ。
フィッツロイが山なら、こちらは氷の河です!
こちらも、それはそれで感動ものの絶景です!
氷が重なりに重なってできた河、その巨大さや美しさに目を奪われることでしょう!
パタゴニアに来たなら、避けては通れない素晴らしい場所です!
ウシュアイア
世界最南端の町。
パタゴニアの最南端ではなく、世界の最南端の街です。
その情報だけで如何にその場所が世界の果てと呼ばれる場所かおわかりになるのではないでしょうか?
街はパタゴニア地方の中では結構大きく、人口も多く栄えている印象です!
パタゴニア周遊のスタートともゴールともなり得る場所であり、南極クルーズの起点ともなる場所です。
カンパナリオの丘(バリローチェ)
アルゼンチン側のパタゴニアの入り口の街とされているのが、バリローチェです。
バリローチェの街並みもどこかヨーロッパを感じさせるような穏やかさを放っており、”あー、パタゴニアにやってきたんだなー”と思わせる雰囲気を放っています。
バリローチェの街からバスに乗り、数十分でたどり着ける見晴らしのいい丘です。
山や湖が織りなす、自然の景観を眺めることができます。
リフトに乗って展望台に登っていくのも、どこかピクニック気分で気持ちがいいものです。
さいごに
パタゴニアが大好きな僕がおすすめする「パタゴニアの歩き方」いかがでしょうか?
パタゴニアが僕が知る前から、誰もが知る素敵な土地としてあり続けています。
どうかその素晴らしさを感じる旅に出てみてください。
皆さんの望みどうりの、望みを超えるぐらいの景色を魅せてくれることでしょう。
皆さんのパタゴニアへの興味が少しでも湧いたら嬉しい限りです。
ご愛読ありがとうございました!