はじめに
皆さんの世界一周はどんな思い出があるでしょうか?
僕には、悲劇と言いたくなるようなトラブルで溢れています。
もちろん、楽しかった思い出もステキな時間も溢れていますが、「もう味わいたくない。」なんて苦い体験もあるものです。
特に世界一周を始めた頃の僕は旅の初心者中の初心者。
今だったら”アホだなー”と思える行動をたくさんしていました。
だからこそ招いた悲劇の数々。笑いたくても笑えない思い出がたくさんあります。
今回はそんな悲劇の一つを、第一弾として話させていただきます。
どうか、笑っていただけたら幸いです。
今回の概要
内容:高額ぼったくり
時期:2012年4月(世界一周に出て二日目の夜)
場所:上海(中国)
状況:一人で街を歩いている所
被害額:12,000元(当時のレート:約12万円)
世界一周で実際にあった悲劇:その1
「旅開始2日目で12万円ぼったくりに遭う」
どうでしょうか、もうタイトルからして、「あー。残念だな、この子」感が漂ってきますよね。
僕も完全に同意です。
世界一周をする旅人の中でも、僕ほど初っ端にたっぷりやられた人はいないのではないでしょうか。
「もう嫌だ、時間戻してーーー。。」
そのときは、どれほどそう考えたかわかりません。
旅人にとって、トラブルに合うときほどヘコむものはありません。
ぼったくりに遭う経緯
どんな状況でぼったくりにまで辿り着いたか?
それは単純に
”観光地で現地人に日本語で話しかけられた”
それだけです。
いやー恥ずかしい。
反論する余地なしです。
もうガイドブックに太文字で書いてありそうな注意事項ですよね。
当時の僕は浅はかでした。
緊張感が足りなかったとか、危機管理能力が持てていないとか、言えることは多々ありますが、完全に旅のド素人感がすごかったのかと思います。
むしろ全然日本語に触れていない状況の中で、日本語を話せる人に勝手に親近感を湧いてしまっていました。
なぜ簡単に人を信じたのか?
それはズバリ「人を疑うことの重要性」を理解していなかった、に尽きます。
僕が旅に出たのは22歳の4月。大学を卒業してすぐのことでした。
それまでの僕は、普通に日本で暮らしていた大学生です。他の海外の常識など知る由もありません。
海外ではもちろん”色々なことに気をつけないといけない”と頭でわかっていましたが、肝心な部分で考えが甘かったのでしょう。
人を信じる、ことに無頓着だったと言い換えてもいいかもしれません。
旅人には、旅人に必要な考え方があります。日本と同じ感覚で旅をしていては痛い目にあいます。
「まあ大丈夫っしょ」精神が自分を苦しめることになるとは思いもしませんでした。
当時の僕の旅の仕方
旅への情熱は誰よりもあり、ひとまず行って、そこから進んでいこうスタイルで日本を旅立ちました。
世界一周の一カ国目は中国・上海。
一人での出入国は初めてで、右も左もわからない状態でなすがままに空港内を進みました。
拙い英語や全くわからない中国語でやり取りをしたりして、無事上海の空港につくことはできました。
しかし、そこで一人になり、
”あれ、なにすればいいんだろう?”
から僕の旅は始まりました。
とはいえ、ポジティブシンキングが自分の売りなので、”まあ進んでいけばなるようになる”と思って旅を始め続けたわけです。
そして、せっかく海外の地に来たのだから、するべきことはまずは観光です。
しかし、その観光で悲劇は起きました。
いや、今思えば起こるべくして起こっていたのかもしれません。
そのぐらい当時の僕はカモに見えたのでしょう。
一人の中国人との出会い
出会いなんて、言いたくありませんが、確実にこの男性に僕は誘導され、ぼったくりに遭うわけです。
つまり、ここで防げればなんとでもなかった話だったのですが、それを10万円超えのぼったくりにまで発展させてしまうのが僕のポテンシャルです。
河口で佇む僕に一人の中国人男性が話しかけてきます。
”日本人の方ですか?”
そんな日本語の会話が始まります。
振り返ってみると、全てはそこから始まっていたのです。
ぼったくりの手口
日本語で話しかける → 会話が弾む → ご飯に誘う → タクシーに乗って飲み屋に行く → 女性のいるお店(キャバクラ風)へ入る → その人は別卓に行ってしまう(何言ってるかわからない) → わからないまま待ちながらひとまず飲む→ 時間が過ぎると会計になる → 高額請求
簡単に言うと、わかりやすいどこにでもあるぼったくりの手口です。
要は、最初に話しかけてきた中国人男性も店の人もすべてグルだったという話です。
もちろん、料金が請求されたときには、その男性はいません。
いやー書いてて思いますが、今どきそんな手口に引っかかるやついるのかよ、って話ですよね。
まあそれもわからないぐらい若かった、っていうのが僕の唯一の意見です。
完全にぼったくりの濁流に飲まれました。
そのときの僕は、
「わざわざ話しかけてくれて、日本語を話してくれるし、日本で働いていたとか、日本が好きだとか言ってくれるし、いい人だなー」
ぐらいに思っていた、と思います。
請求時の対応
店で飲み進め、30分ぐらい経つと、料金請求の場面になります。
ボーイみたいなひょろっとした男の人とその後ろに”これぞ取り立て屋”みたいなごっつい男性が構え、2人がかりで僕に料金を請求してきました。
そして、まあ料金を払おうかな(簡単なキャバクラぐらい(何千円ぐらいかな?)と思っていた)と伝票を見ると、
12,000元(140,000円相当)
「えっ、どうゆうこと?」
「いちまんにせん、、、だから、じゅうよんまんえんぐらいか!!!?」
「いやいやありえないよー、ムリムリ」
「まじかー、完全にぼったくりにはめられたのかー」
とそのときに全てを察しました。
遅すぎですよね。。。
請求時の抵抗
とはいえ、僕も簡単に払おうとはしません。
「いやいや、この額はありえないし、払えないよ!」「いや、これがウチの正常料金だ」
「さっきの男性を連れてきてよ」「そんなヤツはいない」
よくあるぼったくりのバーであるやりとりが繰り広げられました。
そんな押し問答が続き、10分ぐらいが過ぎた頃、このままではラチがあかないと思い、
僕から、
一旦冷静に話し合おう
と持ちかけました。
そこで自分の状況を説明し、なんとかなだめようと試みましたが、向こうもそうゆう商売ですから、なんとも折れてくれません。
最終的には多少譲歩してくれ、
140,000円相当を120,000円ぐらいまで、2万円ほど値引いてくれました。
とはいえ高額請求で、ぼったくりに変わりはないので悲しいところです。
しかし、全ては振り返れば僕の責任、カードで支払い、店を後にしました。
約12万円
プリペイドカードで一括です。
一瞬で大金が吸い込まれたわけです。
それから何日間は生きた心地がしませんでした。。。
ぼったくりに合わないための改善点
全ては旅での鉄則です。
最低限のことは自分で考えれば対処できます。
・まず、信頼できない人(得体の知れない現地人)についていかない(これは鉄則)
旅で「そのとき」の出会いを大切にしようとするのは良いことではありますが、なにもしらない人にノコノコついて行くほど面倒に巻き込まれる確率を上げることはありません。
“君子、危うきに近寄らず。” です。
怪しい人には近づかないセンサーを心に持って旅をしたいですね。
・怪しいと思ったら、店に入らない
ここも僕の浅はかなところです。
自分でタクシーを降りて、その男性に着いていき、自分の足で店に入っています。
何一つ強制されたことはありません。
全て自分の意志で進んだ先に招いたことです。
まずタクシーにも乗ってはいけません。
・帰り道がわからない場所には行かない
基本的には自分がしっかりと宿に帰れる範囲で行動するべきです。
特に夜は尚更です。
なにかあっても、宿にさえ帰りつけばなんとかなります。
そこには安心が待っていることでしょう。
そこがどこかもわからない場所でトラブルに巻き込まれることほど、神経をすり減らすものはありません。
・払わない意志を貫く
これはその場面になっては難しいことかもしれませんが、一つの手段でもあります。
”払わない”意志や行為をし続けることによって、向こうが折れるかも知れません。
とはいえ、これは最後の最後の抵抗とも言えます。
と同時に、相手も怒ったり暴力を振るってくる恐れもあります。
日本と海外は違います。
あまり相手を刺激しないようにした方が、安全にことを終わらせれるかもしれません。
ましてや警察が来た所で、現地語を話せない我々に勝ち目はありません。
なにより優先すべきは「生きて無事に帰ること」それだけは忘れずにいましょう。
伝えたいこと
結局なにがあったとしても、
「その物事をどう捉えるか」
で物事の意味や価値は変わります。
僕は、嫌になるような出来事も、
旅が自分に伝えてくれたメッセージ
と思って、その後の旅や人生に活かしています。
きっと、そのときの自分に必要なことを教えてくれているのではないでしょうか。
旅には、予期せぬことがたくさん起きます。
悲しいことや辛いこと、悔しいことも毎日出会うことは様々です。
それでも大いに旅を楽しんでください。
そして、一つ言わせていただけるなら、
”ただただ、気をつけて。”
そんな言葉をお守りに旅に望んでほしいです。
最終的に、自分のことを守れるのは自分だけ、なのですから。
さいごに
「世界一周で僕が出会った悲劇その1」いかがでしょうか。
持論として、
“笑って話せる話は土産話、笑って話せない話はお蔵入り”
とカテゴリを分けています。
やっぱりどんなことが起きても、笑って話せる心の広さと余裕を持って旅をしたいですね。
皆さんのこれからの旅路が、多少のスリリングがありつつも確実に安全であることを願っています。
ご愛読ありがとうございました!