はじめに
今回は僕が出逢ってきた悲劇の集大成とも言える出来事を紹介します。
今回の記事を読んで、皆さん僕と同じ轍を踏まないように気をつけていただければと思います。
なんのきのない行動で旅は一変してしまいます。
それだけは心に留めておいていただければと思う所存です。
時系列として1〜4までの出来事は順番に起きています。
中国、カンボジア、タイ、シンガポールときて、最後がインドです。
こう見ると、序盤の序盤でことが起きすぎていますね。
まあこれも貴重な経験が沢山できたということでしょう。
今回の概要
内容：集団詐欺(劇場型マリファナ逮捕詐欺)
時期：2012年9月(世界一周に出て半年が経った頃)
場所：どこかの田舎(インド)
状況：名前も知らない田舎の路上でのできごと
被害額：約30万円
世界一周で実際にあった悲劇：その5前編
「インドでマリファナ関連の集団詐欺に巻き込まれる」
今となっては有名なインドでの集団詐欺の実際の体験談です。
劇場型とでもいいましょうか、何人もの登場人物が絡み合って、旅人を騙し、お金をむしり取ります。
その罠にハマってしまったら、当時の心理状況では脱出不可能です。
全ての出来事が本当に思えて、冷静な感覚など持っておられず、言われるがままに大金を払ってしまうことでしょう。
インドへ行く皆さん、くれぐれも気をつけてください。
集団詐欺の概要
町中でインド人に話しかけられる→”結婚式へ行かないか？”との誘い→その人と共に人里離れた村に行く→実際に式典があり楽しく過ごす→そこで彼らに共にマリファナを吸おうと誘われる→その場面に警官が現れ事態急変→逮捕や賄賂の流れ→強制帰国
すべての始まり
ことの始まりはリシュケシュでした。
2週間程過ごし、一通りのヨガの体験を済ました僕は、次はデリーでヴィパッサナー瞑想をしようと考えていました。
ネットでメールを通して予約することはできるのですが、日時や期間が決まっており、僕が参加できるのは一番直近で10日程時間がありました。
特にすることもないので、焦ることもなく、それまでの期間をのんびりと過ごすことにしていました。
そんなやるべきこともない日々の中、街を歩くだけでたくさんのインド人が話しかけてきてくれます。
そんな中の一人のとあるインド人男性に、
”友人の結婚式に行かないか？”
と誘いを受けました。
今思えば、この誘いが始まりなのかもしれません。
最初は特に興味もなかったし、そんなどこかわからない所に行くのも少し危ない気もするので、
”いや、やめておくよ。”
と答えていました。
とはいえ心のなかでは、
”行ってみるのもいいかもなー”
と思っていたのも確かです。
なんせ、時間だけは無限に余っている日々の途中であったから、の部分が大きいです。
そしてしばし話しながら考えた結果、まだ瞑想まで時間もあるし、ただただ時間が経つのを待つのももったいないので、行ってみることにしました。
行き先は彼いわく、デリーから何百キロか離れた田舎、とのことでした。
リシュケシュを離れ、遠く田舎の地へ
その頃の僕は、どうせ来たならインドのディープな部分を見てみよう、って感じでした。
まあ結婚式に参加するなんてそうそうないし、これも一つの縁として受け入れることとしました。
そんなこんなで、どこのだれかもわからない人の結婚式に参列するみたいな流れになったわけです。
話しかけてくれた彼とリシュケシュをスタートし、デリーではないどこかへ向かう旅がはじまりました。
バスを何本か乗り継ぎ、とある場所で彼の知り合いと合流したりもしました。
車に乗り込み、まだまだ進むらしいです。
社内は彼や彼の友達を僕を含め、計4人での道中となりました。
道なき道を何時間も突き進み、辺りは真っ暗の中辿り着いたのは、普通の一軒家。
どうやらそこが今回の宿みたいです。たぶんこのメンバーの中の誰かの実家だったりするんでしょう。
促されるまま、その家に入り、旅の疲れを癒やすことになりました。
誘ってくれた彼いわく、”明日の朝、結婚式に行くから”、とのことで、
”オーケー”と答え、ひとまず夜も更けていたので、みんな寝ました。
朝リシュケシュを出て、その家に着いたのは真夜中過ぎ、割と長い移動だった覚えがあります。
どこかの田舎の結婚式
次の日、目覚めて外へ出ると、そこがとてつもない田舎だということに改めて気づきました。
まあそれだけ深い所へ来た分だけ、貴重な機会と思うことにしましょう。
もうここがインドのどこなのか、デリーまでどう行けば良いのか、全くもってわかりません。
見渡す限り田舎の風景です。
とはいえ僕は男一人、そこがどこであろうと別になにも問題ありません。
どうせ来たなら、ひとまずその場を楽しむのみです。
その家にいるおばあさん(もはや関係性はよくわからない)に挨拶したりして、昨日来たみんなでカレーを食べ、結婚式へと向かいました。
車に乗り込み何kmか進み、辿り着いたのは野外の結婚式会場でした。
それまで半ば信じていませんでしたが、”結婚式、本当にあるんだ！”って感じでした。
インドの音楽が流れ、新郎新婦が披露される大きなステージやそれを囲むように客席のイスが用意され、子供から大人まで沢山の人がいました。
適当に空いてるテーブルに腰掛け、パーティーを堪能しました。
一人の青年との出会い
その式典の場で出会った同世代の青年がいました。
彼は僕と同い年で、そこに居合わせた親戚の青年といった立ち位置でした。
結局は彼がマリファナタバコの仕掛け人となるわけですが、出会った段階では全くわかりません。
その彼はよく僕に話しかけてくれ、
”一緒にタバコを吸おう”
と何度か一緒に吸うことになります。
その彼はマリファナの葉っぱ(僕は吸わないのでハッキリ味などはわからない)を持っており、それとタバコの葉っぱを半分ずつ混ぜていました。
僕は僕で自分のタバコを持っていたので、自分のものを吸っていましたが、試しに彼にもらったりもしました。
味は全く普通のタバコと変わらず、マリファナがなんなのかもよくわかってない僕は、へえーぐらいな感じでした。
そのマリファナが本物なのかは僕も疎いので全然わかりませんでした。
事件が起きる現場へ
そんなタバコミュニケーションの時間が終わり、式典の場を去り、昨日寝た家に帰ることになりました。
タバコを一緒に吸った彼も一緒にその家に行き、夜もみんなで一緒にご飯を食べたりしました。
しっかりとローカルなインドを堪能している状況です。
全ては順調に見えて、どんどんその瞬間に近づいていた、とも言えます。
食後も、タバコを吸おう、と彼は僕を誘います。
普通に喫煙者の僕は、いいよ、と答えます。
“ただこの家で吸うと親戚のおじさんとかが怒るから外へ行こう” と外へ行き、家から50m程離れた木に持たれてタバコを吸っていました。
彼は昼間同様、マリファナとタバコのハーフタバコを吸っており、それを僕にも吸わせてきました。
そして2人で一緒にタバコを吸っていると、一台の車が止まりました。
そこから降りてきたのは、まさかの警官です。
今思えばそんなわけないことは冷静にわかるのですが、そのときはわかるはずもありません。
警官とのやりとり
とっさに、”警察？いきなり？マリファナとか大丈夫？” とか思いましたが、地元の青年の彼もいるし、問題もないだろう、ぐらいで身構えていました。
車から降りてきた警官2人は僕らに話しかけ、それに対して彼が答えています。
やり取りは英語です。
警官：「お前らなにを吸っている？まさかマリファナじゃないだろうな？(インドでもマリファナは違法です。)」
彼：「いや、普通にタバコだよ。」
警官：「貸してみろ。」
タバコを一吹いする警官、
警官：「おい、これはタバコじゃない、マリファナじゃないか！！」
その瞬間、彼が僕の手を取って家の方に走り出しました。
つまり、警察の取り調べから逃走、の図です。
わけがわからないながらも走って走って、元の家に着きました。
“いやいやなんで逃げるの？”
“ヤバい！！警察から逃げるとかヤバいでしょ！！”
”この状況どうなるの？”
対して英語もわからない僕の心臓の鼓動は、人生で出逢ったこともない状況に、高鳴るいっぽうでした。
僕はどうなるのでしょうか？
後編に続く
さいごに
僕が世界一周で出逢ってきた中でも最大規模の出来事である”インドでの集団詐欺”の前編、いかがでしょうか？
悪の手は、あの手この手を使って我々旅行者を絡めとろうとしてきます。
僕よりもっと高額な何百万円という大金を騙し取られた旅人もいました。
詐欺は本当に怖いものです。積み上げたお金が一瞬にしてなくなってしまいます。
対策は一つ、その手口を知っているか否か、そこが分かれ目です。
ご愛読ありがとうございました！
