世界一周の始め方

世界一周で実際に僕が出会った悲劇その5:後編!「集団詐欺」




はじめに

今回は僕が出逢ってきた悲劇の集大成とも言える出来事を紹介します。

今回の記事を読んで、皆さん僕と同じ轍を踏まないように気をつけていただければと思います。

なんのきのない行動で旅は一変してしまいます。

それだけは心に留めておいていただければと思う所存です。

時系列として1〜4までの出来事は順番に起きています。

中国、カンボジア、タイ、シンガポールときて、最後がインドです。

こう見ると、序盤の序盤でことが起きすぎていますね。

まあこれも貴重な経験が沢山できたということでしょう。

よろしければ前編も読んでいただければ幸いです。

世界一周で実際に僕が出会った悲劇その5:前編!「集団詐欺」はじめに 今回は僕が出逢ってきた悲劇の集大成とも言える出来事を紹介します。 今回の記事を読んで、皆さん僕と同じ轍を踏まないように...

今回の概要

内容:集団詐欺(劇場型マリファナ逮捕詐欺)

時期:2012年9月(世界一周に出て半年が経った頃)

場所:どこかの田舎(インド)

状況:名前も知らない田舎の路上でのできごと

被害額:約30万円

世界一周で実際にあった悲劇:その5後編
「インドでマリファナ関連の集団詐欺に巻き込まれる」

今となっては有名なインドでの集団詐欺の実際の体験談です。

劇場型とでもいいましょうか、何人もの登場人物が絡み合って、旅人を騙し、お金をむしり取ります。

その罠にハマってしまったら、当時の心理状況では脱出不可能です。

全ての出来事が本当に思えて、冷静な感覚など持っておられず、言われるがままに大金を払ってしまうことでしょう。

インドへ行く皆さん、くれぐれも気をつけてください。

集団詐欺の概要

町中でインド人に話しかけられる→”結婚式へ行かないか?”との誘い→その人と共に人里離れた村に行く→実際に式典があり楽しく過ごす→そこで彼らに共にマリファナを吸おうと誘われる→その場面に警官が現れ事態急変→逮捕や賄賂の流れ→強制帰国

警官とのやり取り

彼と共に家に逃げ帰り、家の中のどこかの部屋に隠れます。

状況もうまく飲み込めず全力疾走し、呼吸も上がっています。

“えっ、マジでやばくないか??”

そのときの僕は緊張感でマックスでした。

なんせ、マリファナの現行犯の現場から逃げてきている状況ですから。

警官も家まで追ってきて、僕らのいる部屋を簡単に見つけ出します。(グルだから当然です。)

そこの家で寝ていたおじさんたちも、なにごとか?といった様子でその場所に集まってきます。

まあ警察が家に来ているので当然と言えば当然です。

構図としては、警察2人、彼、僕、おじさん2人の計6人で話が進んでいく状況になりました。

要はここから5対1で僕を罠にハメていく算段が進んでいくわけです。

警察と僕とおじさん達の主張

警察の主張としては、彼と僕を牢屋に連れて行く、とのことでした。

”ユア ライフ イズ フィニッシュ” の言葉を言われたのを覚えています。

英語が拙い僕でも、その意味はわかりました。

これはいよいよヤバいと心の中で感じていました。

僕はこの状況でなにもごまかせることもなかったので、特になにかを主張せずにただその場が収まるのを待っていました。

基本的には警察とおじさん達が現地人同士やり取りをしており、なんとかなるものかと願っていた部分もあったからです。

しかし事態は悪化していく一方でした。

警察は怒っている形相で、尚且こちらの弱味も握っているので、簡単に帰るなんてことはしません。

僕らを引きずってでも牢屋に連れて行こうと家から出そうとします。

それをさせないようにおじさん達が制止します。

”牢屋に行ったら本当に終わりだ。君も助かりたいなら謝るしかない。”

おじさんのその言葉に、僕もなんとかこの場を逃げ切るために頭を下げ続けます。

しかし全くもって警察も聞く耳を持ってはくれません。

そこで出てくるのがお金の話です。

”この状況では君は牢屋に行くしかない。それが嫌ならお金を払うんだ。要するにワイロだ。お金さえ払えばインドの警察は解決してくれる。今ここで捕まって牢屋に入るのと、お金を失ってでもこの場を離れれるのとどっちがいい?”

おじさんにそう言われた僕は、

「なるほど。もうなにが本当かよくわからないけど、この場ではお金を払うしかなさそうだ。」

との結論にいたり、仕方なくお金を払うことを決めました。

やはり人間、自分の理解が及ばない範疇で物事が進むと弱いものです。

こうして、人が詐欺にやられる手順を体験した次第だったわけであります。

賄賂の支払い

もう助かるためにはワイロを渡してこの場を切り抜けるしかない、そう思った僕はひとまず財布にあったインドルピーを全て渡しました。

それが日本円で15,000円ぐらいだったと思います。

しかし相手は詐欺集団、取れるだけ取ろうと僕をゆすります。

キャッシュカードがあるだろう?ともっと催促してきます。

それは出せない、とどれだけ切り抜けようと試みても向こうも折れず、最終的にキャッシュカードを渡し、暗証番号を教えるまでしないと無理な状況でした。

そうして僕は合計30万円程の金額をむしり取られてしまいました。

自分自身に情けない僕は、ひとり泣きました。

そして、帰国

そして僕は、日本に帰国するになりました。

警察いわく、インドからの強制帰国の形になります。

”お前はもうインドには入れない”とのことでした。

帰国のチケットは、泊まった家で警察と対応してくれていたおじさんが用意してくれました。

田舎の家からデリーの空港までの車も用意してくれました。

”君を無事に日本に返したい” と言ってくれていました。

ここまで用意するのがインドの詐欺手口の手の込んでいるところです。

そこまでされると全てを信じてしまうわけです。

被害総額は30万円程で大金で大きな痛手でしたが、それ以上に自分自身の情けなさに嫌気がさしてなりませんでした。

なんとも心に大きなダメージを食らった出来事となりました

無事に日本に帰国することはできましたが、少しの間は旅人としての自分に誇りを持つことなんてできませんでした。

詐欺とは本当に怖いものです。

これにて、インドでの集団詐欺での事件は終わりです。

今回の詐欺を通して伝えたいこと3点

実際に被害に遭った僕だからこそ、皆さんに伝えれることがあります。

今回の事件を詐欺被害を通して、一人の旅人として「気をつけること」「気づけたこと」「言いたいこと」の3点を伝えさせていただく存じます。

僕と同じように被害に遭ってしまう人がでないように、願うばかりであります。

旅人として気をつけること

これは今回に限らず言えることですが、本当に旅する人の一つの注意事項に尽きます。

知らない人についていってはいけない

もうそれだけです。

それを徹底していれば、大抵の嫌なトラブルは防げます。

きっと小学生でも知っていることです。

どれだけ旅を楽しみたいと思っていても、守るべきものは守りましょう。

そこをわきまえておかないと、取り返しのつかないことになることだってあります。

今回も僕は身体は何一つ傷つかずに終わりましたが、いつだって身の危険が迫ることが起きてもおかしくはありません。

日本人として、旅人として、いつのときも守るべきことは安全第一です。

笑って「ただいま」を言えるように、最大限の用心して旅をしていきましょう。

旅人として気づけたこと

自分がいかに無力で小さい人間なのかということ。

今回の件は、本当にこれに尽きます。

あの極限の状況にこそ、人の本性が出る、と感じた出来事はありません。

僕は警察に捕まりたくない一心で、

「マリファナが混ざっているとは知らなかった。タバコだと思っていた。彼にもらっただけだ。自分は何も知らない。」

などなど、自分は潔白でる旨を答えたことを覚えています。

8年前の出来事ですが、その一瞬の発言を今も忘れはしません。

なぜならそれは、ただ自分のことを守るための嘘の発言であったからです。

僕は、完全にそれがマリファナだと認識(本物かどうかはわからないけど)してタバコを吸っていました。

つまり、自分が知っていて行った行為を「知らなかった」でくぐり抜けようとしたのです。

とっさのこととは言え、起きた出来事から逃げるために嘘で塗り固めるなんて、人として良い行いとは言えません。

このときを境に、自分が堂々と言えないことはやらない、と心に誓って今を生きています。

旅人として言いたいこと

何が起きようとも、それでも旅は素晴らしい、ということ。

被害に逢い帰国した当時は、本当に自分のことが嫌になっていました。

せっかく期待に胸をはずませ旅に出たのに何度も嫌な思いをし、お金も沢山なくなっていくだけの日々の連続。

それまでに遭ったどの悲劇よりも一番心にダメージの残るものでもありました。

なんだか、自分の弱さを露呈された気がして、なんとも心が晴れない日も続きました。

“自分は旅には向いていないのではないか?”、そんな考えが頭を巡ることも何度もありました。

けど、まだまだ人生は続くし、やりたいことをやらないともったいない、そう思うと自分がしたいことはやっぱり旅でした。

話を聞いてくれる友達の応援の言葉なども後押しになり、僕は帰国から2ヶ月後また旅に出ました。

それから今日に至るまで、まだまだずっと旅を好きな自分でいることができています。

それもこれも、一つの不幸な出来事で大好きな旅をやめなかったからでしょう。

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さいごに

僕が世界一周で出逢ってきた中でも最大規模の出来事である”インドでの集団詐欺”の後編、いかがでしょうか?

悪の手は、あの手この手を使って我々旅行者を絡めとろうとしてきます。

僕よりもっと高額な何百万円という大金を騙し取られた旅人もいました。

詐欺は本当に怖いものです。積み上げたお金が一瞬にしてなくなってしまいます。

対策は一つ、その手口を知っているか否か、そこが分かれ目です。

いつのときもトラブルは旅人を大きくしてくれます。

あのときのあのトラブルがあったからこし、今も僕は旅が大好きな旅人でいれているのだと断言できます。

皆さんのこれからの旅路が最大限安全なものであることを願っています。

ご愛読ありがとうございました!